仕事上のコミュニケーション能力
このページは、仕事上のコミュニケーション能力について考えるためのページです。
目次
注意
- このページを作ったひとが現在進行形で考えていることのため随時内容が変わることがあります。
「コミュニケーション能力」?
- そもそも「コミュニケーション能力」という言葉自体にコミュニケーション能力 (意味を伝える力) がない問題がある
- 大体のニュアンスはわかっても実際に何を意味しているか人によって違う (定義揺れや認識齟齬の問題が起きる)
- 「コミュニケーション能力」という言葉について整理する必要がある
「コミュニケーション」 = 「情報共有」
- 「コミュニケーション」 = 「2者以上で」「何らかの情報を」「伝えたり受け取ったりして」「共有する」こと
- Communication - Wikipedia
from Latin communicare, meaning "to share"
(ラテン語の communicare、「共有する」を意味する)
- 「Communication」 = 「通信」の訳でもある (IT 分野などでよく使う)
- 通信の仕組みがわかると人間のコミュニケーションの仕組みについて理解しやすくなる
- Communication - Wikipedia
「情報」?
- 意思・意見 (人の気持ち、感情、考え)
- 物事の意味
- 状況
- など
「共有」?
- 「伝える」「受け取る」ことで情報をわかちあう (分かり合う) こと
- 「疎通」と「共有」は微妙にニュアンスが異なる
- 「疎通」は対象となる情報が届けばいい (通信的な文脈でいうと送られてきたデータを受け取ってそのまま捨てても疎通していることにはなる)
- 「共有」は対象となる情報について両者とも理解しあえている必要がある (= 届いたあとに「わかる」が必要)
「コミュニケーション能力」 = 「情報共有能力」
- 「情報共有能力」 = おおまかに「伝える力」「受け取る力」の2つ
- 情報共有の方法には言語 (verbal) と非言語 (non-verbal) の2つがあり、どちらも使える・読み取れる必要がある
伝える力 (わからせる力)
- 口頭で話す能力
- 話の構成、内容 (言語的)
- 語彙 (言語的)
- 表情、動作 (非言語的)
- 声のトーン、速度、大きさ (非言語的)
- 文章を書く能力
- 話の構成、内容 (言語的)
- 語彙 (言語的)
- 絵文字、顔文字、スタンプ (非言語的)
- 文章だと非言語メッセージを伝える方法が乏しい (「冷たい」印象になる) ため、感情などの非言語メッセージを補うために絵文字などが使われる
受け取る力 (わかる力。理解力)
- 口頭の話を聞く能力 (上記の言語的、非言語的なメッセージを読み取れる)
- 文章を読む能力 (〃)
「コミュニケーション能力が高い」 = 「より多くの人と情報共有ができる」
- 「より多くの人と情報共有ができる」 = 「より多くの人のコミュニケーションの種類に合わせられる」
- 人によって伝え方、受け取り方が違うため、それに合わせたやり取りができる
- 例: 専門家には専門用語、素人には平易な言葉で話せる (相手の語彙に合わせられる)
- 例: 耳の聞こえない人にはジェスチャーや文章、手話で伝えられる
- 例: 複数の言語がわかる (日本語, 英語, ...)
- 通信的な文脈でいうと「多くのプロトコルに対応できる」(UDP, TCP, ...)
- 人によって伝え方、受け取り方が違うため、それに合わせたやり取りができる
- 「コミュニケーション能力が高い」 = 「話が上手」、ではない
- 話が上手そうでも人によって話が伝わらなかったら意味がない (相手によって相手のわかる伝え方ができる必要がある)
- コミュニケーションに 10:0 はない (どちらかが 100% 悪いということはない)
仕事上のコミュニケーション能力
「仕事上のコミュニケーション能力」 ≒ 「対面での情報共有能力」
- 一般に、文章能力を指して「コミュニケーション能力が高い・低い」とは用いられないことが多い
- 文章能力を話題に挙げるときは「文章能力」「ライティング能力」と表現できる
- 「会話能力+α」に便宜上「コミュニケーション能力」という言葉が使われている
- 「+α」
- 主体性 (伝える力のひとつ)
- 共感性 (受け取る力のひとつ。感情の共有)
- など
- いわゆる「同じ釜の飯を食う」「飲みニケーション」などは感情や経験の共有を暗黙的に意図している
- 「+α」
根本的に必要な能力
- ①「相手の気持ちや考えを理解・共感できている」ことを表現できる
- 例: 相手の気持ちや考えを言い表せる (相手に「そうそう!」「そういうこと!」と言わせられる)
- ②「相手に危害を加えない・役に立つ存在である」ことを表現できる
- 例: 雑談などで自分のことをある程度オープンにしていて人となりが知られている (「何を考えているかわからない」と思われないようにする)
- ③「この人とは話ができそう」(意味のある情報共有ができそう) と周囲に思ってもらえる
- 普段の会話でうまく話ができることが認知されていないと周囲から重要な仕事の話をしようと思ってもらえない
- 「雑談」(一見無意味な情報共有) などが重要な役割を果たしている
- 通信的な文脈でいうと双方向の死活監視 (通信相手が正常通信できる状態かを定期的に小さいデータを送信してチェックする) の役割
- 感情や経験、考え方の共有の役割も雑談が果たしていることが多い
伝える力
- 自分のしている仕事について相手がわかるように話ができる。必要な分だけ話ができる
- Just In Time 的にいうと「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」相手に伝えられる
- 報連相でいうと下記が状況に応じてできる
- 報告 = 過去 (終わったことの話)
- 連絡 = 現在 (今の状況の話)
- 相談 = 未来 (今後の予定の話)
- 自主的・定期的に話ができる
(「聞かないと何をやっているのかわからない」と相手に思われている場合、情報共有性が低い)
受け取る力
- 人の話 (指示、相談など) の内容が理解できる
- なぜ相手がその話をしているか、背景が推測できる
- 相手が言っている話が不明瞭でも補うことができる (確認、言い換え)
- 理解した内容を自分の言葉で話すことができる (言い換えて復唱する)